フォトジェニックなインスタ映えスポットでもある岡寺。
実は正式名称は「龍蓋寺」と言うんです。
龍に蓋をする寺。
物語がありそうな名称ですよね。
龍蓋寺(岡寺)に眠る龍のお話
龍蓋寺(岡寺)には、まさにその名の通り、龍にまつわる昔話があるんです。
……
むか〜し昔、明日香村の岡というところに一匹の困った龍がおったそうな。
その龍は、雨のいらない時に急に雨を降らせたかと思えば、田畑の地面を這い廻って作物を枯らせたりと、村人たちをほとほと困らせておったのじゃ。
龍に手を焼いていた村人たちはある日、義淵(ぎえん)という優れた法力を持ったお坊さんに相談しにいったのじゃ。
「どうかあの龍をなんとかしてください。」
そこで、義淵さんはまず村人に龍の入れるほどの池を作らせた。
そして池のほとりでお経を唱え龍を呼び寄せたのじゃ。
龍は「おぉ、いい寝床ができた」と喜んで、その池に入っていった。
義淵は「龍よ、もう二度と出てきて暴れて村人を困らせるでないぞ」と言い、法力で龍をその池の中に封じ込め、石で蓋をしたのじゃ。
そこでこの池を「龍蓋池」と呼び、この地に建てられた寺を「龍蓋寺」と言うそうになったそうじゃ。
……
まぁ、ちょっと勝手な妄想入ってますが(・・*)ゞ
悪さをしていた龍を義淵というお坊さんが、池に封じ込めたと言うお話ですね。
写真の池の前にあるレリーフはまさに、義淵さんが龍を封じ込めるところを表してます。
レリーフの龍の爪が4本なので結構、位の高い龍ですね。
ちなみに義淵さんは、のちに仏教界の最高位・僧正(そうじょう)に任じられました。
今も残る龍蓋池
レリーフの奥、石の柵の向こうにあるのが「龍蓋池」です。
レリーフの横には、龍蓋池の向こうにある祠を拝む礼拝所?もありました。
近づいてみるとこんな感じ。
龍に蓋をしたという石が結界のような縄で囲われてますね。
横から。
あの石の下に龍が眠っているのかぁ。
あ、そうそう、龍はのちに改心して、良い龍になったそうですよ。
龍蓋池は本堂のすぐ近くにあります。
災いを取り除いたことから「厄除け信仰」へ
この龍を封じ込めたという伝説が、
悪龍の災厄を取り除く
↓
災いを取り除く
↓
厄除け
という「厄除け信仰」へと発展していったらしく、龍蓋寺(岡寺)は日本最初の厄除け霊場として知られていくようになったそうです。
鎌倉初期に書かれた「水鏡」という歴史物語の書き出しに、
「つつしむべき年にて、すぎにし きさらぎの初午の日、龍蓋寺へ まうで侍り」
と書かれているそう。
つつしむべき年(=厄年)の、きさらぎ(=2月)の初午の日に龍蓋寺(岡寺)にお参りすると良いよという意味です。
鎌倉期にはすでに厄除け参りなら龍蓋寺(岡寺)という認識が定着していたということが記録上にもあるということですね。
願いが叶うという龍玉願い珠
ちなみに龍蓋寺(岡寺)にはこの龍の伝説にちなんだ、「龍玉願い珠(りゅうぎょくねがいだま)」というものもあります。
龍といえば必ずセットで描かれる「如意宝珠」。
まさに宝珠になぞらえた願い珠ですね。
願い事を書いた紙を、龍玉願い珠のなかに入れて蓋をします。
願い珠は、本堂前にあるモチノキや本堂縁側に吊り下げて奉納したり、もしくはお守りとして持ち帰ってもいいそうです。
ちなみに龍玉願い珠の奉納料は600円です。
残念ながらこれやらなかったんですよねー……
御朱印もらった後に気づいたんですよね。
でもGWでとにかく人がいっぱいで、再び並ぶ気力が(;´▽`A“
紅葉の時期にでもまたリベンジしたいなー。
改めて行かなきゃいけないとこいっぱいだなー。